サウナで脳のゴミを洗い流そう!頭がスッキリする理由を解説
サウナーの中には、ビジネスの舞台で活躍されている方も多いですよね。多忙な毎日を送っている中、わざわざ時間を割いてサウナへ通うのは、かえって仕事のパフォーマンスが上がるからだといいます。仕事が煮詰まっている時や、あれこれ思い悩んでいる時に、次から次へと浮かんでくる雑念。そのような「脳のゴミ」を洗い流すことで頭がスッキリし、集中力や決断力が高まるというのです。
その理由については、科学的な研究も盛んに進められています。
- 脳疲労が取れる
- 脳波が正常化する
- 幸福ホルモンが分泌される
などなど、サウナが脳へもたらす効果が明らかになってきているのです。この記事ではそれらの研究結果を紹介し、サウナで頭がスッキリする理由について解説します。
目次
雑念という脳のゴミが洗い流される
脳は休むことができない
頭が疲れてしまう原因の一つは雑念、いわゆる「煩悩」です。目の前の仕事に集中したいのに、その仕事にまったく関係のない悩みや考えが浮かんできて、全然はかどらない時ってありますよね。せっかくの休日も、明日の仕事が気になったり、昨日の失敗を思い出したり⋯⋯。ボーっとしたくてもできないのが人の常です。
それもそのはずで、「脳死」という言葉があるように、脳は心臓や肺と同じく止まってはいけない臓器の一つ。意識しなくても活動しているため、自動的に考えごとが浮かんでしまうのは仕方がないことです。雑念が浮かんでは消えをくり返し、脳が勝手に疲れてしまうと、いざという大事な時に本来のパフォーマンスを発揮できません。ビジネスエリートといわれる方々がサウナを利用するのは、このような雑念を振り払うためでもあります。
サウナは強制的に思考を止められる
脳が意識的に活動していない時に働く脳回路のことを、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)といいます。DMNが占めるエネルギー消費量は、なんと脳全体の60~80%。ボーっとしているつもりでも、常に大きなエネルギーが浪費されているんです。そして仕事をしたり、運動をしたり、何か意識的に活動する時でも、追加で必要になるエネルギーはたったの5%ほど。脳疲労を抑えるためには、DMNを使いすぎないようにする必要があります。
そこで、DMNの消費量を抑えることに役立つのがサウナです。サウナ室内は80~100℃にもなる超高温の空間。天気予報で最高気温は100℃、最低気温は80℃っていわれたら、この世の終わりだって思いますよね。それぐらい命に関わるような空間にいると、何かを考える余裕などありません。強制的に思考が停止され、雑念という「脳のゴミ」が洗い流されていきます。こうしてDMNの消費量を減らし、脳疲労を軽減してくれるのが、サウナ浴のメリットの一つです。
サウナで瞑想に近いことができる
ほとんどの雑念は、過去か未来に向けたものだといいます。過去の失敗や未来への不安ばかりを考えてしまうと、現在に意識を向けることができません。
サウナ室内ではどうでしょうか。心拍数や呼吸のペース、汗の出方など、今この時、この瞬間に自然とフォーカスできますよね。これは瞑想にも通じることであり、アップル創業者のスティーブ・ジョブズが瞑想の実践者であったことは、ご存知の方も多いかと思います。瞑想はトレーニングが必要であり、そう簡単に習得できるものではありません。でもサウナなら、座っているだけでOK。頭がスッキリしない時は、強制的に脳を休められるサウナがオススメです。
《参考書籍》
・加藤容崇著『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)
・久賀谷亮著『世界のエリートがやっている最高の休息法』(ダイヤモンド社)
老廃物という脳のゴミが洗い流される
脳疲労のもう一つの要因は、脳内にたまる不要な老廃物です。特にアミロイドβというタンパク質は、アルツハイマー型認知症の原因にもなる物質。通常は脳のゴミとして排出されますが、蓄積されると脳の神経細胞を死滅させてしまい、アルツハイマー型認知症が進行してしまいます。
深い眠りが脳のゴミ出しをサポートする
アミロイドβタンパク質は、脳と頭蓋骨の間を満たしている脳脊髄液によって排出されます。豆腐のパックに例えると、豆腐が脳、パックが頭蓋骨、パックの中を満たしている水が脳脊髄液。脳は豆腐のように柔らかく、傷つきやすいため、脳脊髄液によって衝撃から守られているのです。
その脳脊髄液の循環に欠かせないのが、良質な睡眠。2013年にアメリカのロチェスター大学の研究チームが発表した論文によると、深い眠りにつくと脳細胞が休息モードに入って小さくしぼみ、相対的に脳脊髄液が流れるスペースが広がるとのこと。脳脊髄液の流れが良くなり、アミロイドβタンパク質をはじめとする脳のゴミが、眠りの深いノンレム睡眠中にしっかり洗い流されることが発見されました。
(参照:Sleep Drives Metabolite Clearance from the Adult Brain – PMC)
サウナに入る人ほど認知症のリスクが低い
間接的ではありますが、サウナには睡眠の質を高める効果があるといわれています。サウナ浴によって眠りが深くなり、脳のゴミが排出されやすくなるということも考えられそうです。実際にサウナに入る頻度が高い人ほど、認知症になるリスクが低いという研究結果もいくつか報告されています。
東フィンランド大学の研究チームは2016年、ベースラインで42~60歳の男性2,315人を追跡調査した結果を発表しました。それによるとサウナに週4~7回入る男性は、週1回しか入らない男性に比べて認知症になるリスクが66%も低かったとのことです。
(参照:Sauna bathing is inversely associated with dementia and Alzheimer’s disease in middle-aged Finnish men – PubMed)
また、フィンランド国立保健福祉研究所が2020年に発表した、30~69歳の男女13,994人を39年間にわたって調査した研究でも同様の結果が出ています。サウナ浴を月に9~12回行う人の方が、月に4回未満の人よりも、認知症のリスクが最初の20年間は53%、全39年間では19%低かったとのことです。
(参照:Does sauna bathing protect against dementia? – PMC)
これらの研究から、サウナが認知症予防に効果的であることはうなずけるかと思います。ただし、事実としてそのような結果が出ているというまでで、具体的にどのようなメカニズムで認知症予防につながるのかは、まだはっきりとはわかっていません。今後のさらなる研究が待たれるところではありますが、サウナには睡眠の質を高めたり、血流が良くなったり、自律神経が整ったりと、さまざまな効能が指摘されています。それらの効能が間接的にでも、脳のゴミ掃除に一役買っていることは十分に考えられそうです。
【関連記事】サウナ後に眠くなるのはなぜ?睡眠の質を上げて次の日すっきり
脳波がととのい、集中力や決断力が高まる
サウナを医学的に解明しようとする医師の第一人者であり、日本サウナ学会の代表理事である加藤容崇氏が行った研究によると、サウナ浴の前と後で、脳波に次のような変化が現れたそうです。
- α(アルファ)波が正常化する
- 右側頭頂葉の一部にβ(ベータ)波が増加する
- δ(デルタ)波が低下する
α(アルファ)波が正常化する
α波は、リラックスしている時に出る脳波です。周波数が8~13Hzの範囲内にあればα波に分類されますが、平均値の10Hzぐらいが最も正常な状態。8Hzでも13Hzでも、とにかくα波が出ればいいというわけではありません。例えば認知症の人は、α波の周波数が10Hzよりも低い傾向にあり、振幅が低下したり不規則になったりすることがあります。サウナ浴後にα波が正常化するというのは、乱れたα波が適切な周波数と振幅に正されるということです。
α波が正常化すると、脳内のワーキングメモリーが向上することが報告されています。ワーキングメモリーが向上するというのは、例えるなら作業スペースが広がるイメージ。狭いスペースよりも広いスペースの方が、何かと仕事がはかどりやすいですよね。脳内でごちゃごちゃしていた考えごとを広いスペースで並び直せば、一つひとつのタスクが明確になります。そうすると何から始めるべきか決断しやすくなり、一つひとつの仕事に対する集中力も増すというわけです。
右側頭頂葉の一部にβ(ベータ)波が増加する
頭頂葉はその名の通り頭の頂上付近、つむじの辺りからやや後ろにかけての部分です。右利きの人は右側、左利きの人は左側の頭頂部が、感覚や認識、情報の分析などをつかさどり、発想を主な役割としています。加藤氏が行った実験では被験者全員が右利きだったため、右側頭頂部に限っての話となりますが、サウナ後はその部分にβ波が増加していたということです。
リラックスしている時に出るα波に対して、β波は緊張状態にある時に出る脳波。そのため、リラックスしている時はα波が増えてβ波が減る傾向にありますが、サウナ浴後はα波が正常化すると同時にβ波が増加していたとのこと。つまり、リラックスした状態でありながら、右側頭頂部は冴えている状態であったということです。
発想やひらめきというのは、緊張状態にある時よりも、リラックスしている時の方が出やすいといわれています。例えばニュートンが万有引力の法則をひらめいたのは、一生懸命に仕事をしているときではなく、庭に座ってボーっとしている時でした。あの有名なリンゴの話です。偉人のエピソードに限らず、仕事に追われて焦っている時よりも、落ち着いて考えられる時の方がアイデアが浮かびやすいというのは、誰しもが経験として思っていることではないでしょうか。何かに行き詰まって突破口が見えない時、サウナに入るとパッと解決策が浮かび上がってくるかもしれませんね♪
δ(デルタ)波が低下する
δ波は、意識レベルが低下した時に増加する脳波です。サウナ浴後にそれが減少したということは、意識レベルが上昇したということ。ずばり頭がスッキリしたということです。
α波が正常化してリラックス状態でありながら、β波が増加して感覚が研ぎ澄まされ、δ波が減少して頭がスッキリする。これはいわゆる「ととのう」の感覚でもあります。サウナで脳のゴミを洗い流し、脳波を整えることで、自分が本来持っている力を引き出せるように「ととのい」ましょう♪
【関連記事】ととのうってどんな感じ?サウナで整う理由をわかりやすく解説
《参考書籍》
・加藤容崇著『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)
・アンドリュー・スマート著『できる人はダラダラ上手』(草思社)
自律神経がととのい、脳のゴミ出しを後押しする
「サウナに入ると自律神経がととのう」というのも、よくいわれることですよね。自律神経には興奮状態の時に優位になる交感神経と、リラックス状態の時に優位になる副交感神経とがあり、この2つの神経がバランスを取り合いながら心身を自律させています。そのバランスが崩れた状態が自律神経失調症であり、あらゆる不調の原因となります。
サウナでは交感神経と副交感神経の両方が大きく刺激されます。サウナ浴中は異常な熱さから交感神経が刺激され、サウナ室を出て助かったと思いきや水風呂へ直行。拷問のような行為に交感神経がさらに刺激され、外気浴に移行すると一気に副交感神経が優位な状態へと切り替わります。交感神経が優位な状態と、副交感神経が優位な状態との振れ幅が大きいほど乱れた自律神経が調整されるといわれており、サウナ浴はうってつけの方法です。
自律神経には、先の述べた脳脊髄液の働きをコントロールする役割もあります。脳脊髄液は、認知症の原因となるアミロイドβタンパク質をはじめとする、脳のゴミを洗い流してくれる液体です。脳脊髄液の流れが良くなれば、それだけより多くの疲労物質が排出されていきます。脳脊髄液は深い眠りによっても流れが良くなるため、自律神経をととのえて、睡眠の質を高める効果も期待できるサウナ浴で、脳のゴミ掃除力を高めていきましょう♪
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サウナで頭をスッキリさせて幸福な毎日を♪
サウナには幸福ホルモンといわれるエンドルフィンや、心を落ち着かせるセロトニンなどを分泌させる効果も期待できます。実感としても、サウナに入った後は頭がスッキリして、多幸感を感じる人がほとんどではないでしょうか。サウナで疲労物質やモヤモヤした雑念などの「脳のゴミ」を洗い流して、幸せで健康な毎日を過ごしていただきたいと願っております。
サウナヨーガン福岡天神は、福岡市の中心部、天神エリアに位置するサウナ浴場です。平和台ホテル天神9Fに併設されており、屋上には天神地区の夜景や福岡の空を眺められる開放的な外気浴スペースもございます。福岡県内のお客様はもちろん、福岡県外からお越しの方もぜひご利用くださいませ。皆さまのご来店を心よりお待ち申し上げております。
【営業再開のお知らせ】
11月4日(月)あさ7:30よりサウナ全施設の営業を再開させていただきます。
(プライベートサウナは現在も通常通り営業中)
さらに進化したサウナヨーガン福岡天神へのご来店を、心よりお待ち申し上げております。
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