ととのうってどんな感じ?サウナで整う理由をわかりやすく解説

「ととのう」とは、サウナと水風呂との温冷交代浴によって、極楽にいるかのような恍惚とした状態になることを表すサウナ用語です。
サウナブームの火付け役となったドラマ『サ道』をきっかけに、「ととのったーっ!」という表現が一気に広まり、2021年には「ととのう」が新語・流行語大賞にノミネート。
サウナーのみならず、世間一般にも知られる言葉として定着しています。

温泉とはまた違う、サウナでしか味わえない「ととのう」という感覚。
実は科学的にも説明がされており、ととのうのメカニズムが明らかにされています。
この記事では、サウナでととのう理由についてわかりやすく解説。
ととのうためのポイントも紹介しますので、サウナ初心者の方もぜひ参考にご覧ください♪

サウナ用語「ととのう」のはじまり

▲タナカカツキ著『サ道 ととのいの果てに』

 

「ととのう」というサウナ用語が広まったのは、ドラマ『サ道』による影響が大きいことは言うまでもありません。
でも実はもっと、もっともっと以前から「ととのう」という言葉はありました。

言葉の生みの親は、プロサウナーとして有名な濡れ頭巾ちゃん氏。
空前のサウナブームが巻き起こることなど、想像もできなかったであろう2009年のある日。
サウナ仲間たちと「サウナの気持ちよさを表す的確な言葉はないか」と議論していたところ、「ととのった」という言葉が一番しっくりくると盛り上がったそうです。

それから自身のブログで「整う」と漢字で表現していたところ、『サ道』の著者であり、サウナ大使であったタナカタツキ氏の目に止まります。
タナカカツキ氏も同じように、「サウナの感覚をうまく言い得た言葉」を探していたのです。
そして2013年、濡れ頭巾ちゃん氏とタナカカツキ氏とのウェブ対談が実現。
「整う」という言葉が初めて一般のメディアに登場しました。

その後は『マンガ サ道』でととのう状態が視覚化され、ドラマで映像化されると大流行。
トランス状態ともいわれる極上の恍惚感を求めて、サウナー人口がどんどん増えていきました。

ちなみに今、「整う」ではなく「ととのう」とひらがなで表記されているのは、2つのととのう(整う・調う)の意味を合わせ持たせているからだそうです。

サウナでととのう理由

▲フィンランドの老舗サウナ「Rauhaniemi」でととのう / 2023年6月訪問

 

ととのう状態がどんな感じなのか、人それぞれ色々な感じ方がありますが、共通して言えるのは「リラックスしていながら頭が冴えている状態」でしょうか。
サウナ浴、水風呂、そして外気浴がもたらす自律神経や脳への影響から、ととのう理由についてわかりやすく解説しています。

自律神経が調う

ととのう感覚にもっとも深く影響するのが、自律神経の働きです。
自律神経には興奮したときに活性化する交感神経と、リラックスしたときに活性化する副交感神経の二つがあります。
サウナでととのうのは、サウナ浴、水風呂、そして外気浴によって、交感神経と副交感神経が大いに刺激されるからです。

まず、サウナ室に入ると、いったんは温かさからリラックスして、副交感神経が優位な状態となります。
それが間もなく温かいから「熱い!」に変わり、交感神経が優位に。
この時、直前にいったんリラックス状態になっていたことが重要なポイントです。
リラックス状態から交感神経優位な状況になると、「エンドルフィン」という多幸感をもたらすホルモンが脳内で分泌されます。
さらに体温調節や興奮抑制のため、エンドルフィンと同じく幸せホルモンの一種である「セロトニン」も分泌されるのです。

サウナ室を出るといったんは安心するものの、水風呂へ移動すると今度はあまりの冷たさから再び興奮状態に。
交感神経がさらに刺激されて、体内にアドレナリンとノルアドレナリンが分泌されます。
どちらも闘争モードにあるとき、例えばスポーツの試合中などに出るホルモンで、いつも以上の力を発揮したり、集中力を高めたりする役割があります。

そして外気浴へと移行すると一気に安心して、今度は副交感神経が優位な状態です。
それまでの「熱い!」、「冷たい!」という危機的状況を脱した体は、ふかーくリラックス。
一方で体内にはまだアドレナリンとノルアドレナリンが残っており、脳内には幸せホルモンがあふれています。
このようにリラックスしていながら頭が研ぎ澄まされ、多幸感に包まれている状態が「ととのう」の正体です。

脳内が整う

サウナでととのうもう一つの理由は、脳内がスッキリすることです。
私たちの脳はぼーっとしている時でも、70~80%ものエネルギーを消費しているといわれています。
実際、休みの日でも仕事のことが頭から離れなかったり、何もしていない時ほど考え事が止まらなくなったりと、脳が休まることってなかなかありませんよね。
これは「DMN(デフォルト・モード・ネットワーク)」という脳回路によるもので、意識していなくとも脳は働いてしまうのです。

それが高温のサウナ室内に身を置くと、あまりの熱さから物事を考える余裕がなくなります。
思考を強制停止させることで、脳のエネルギー消費量が減少。
さらに脳の血流量が増加することで、脳内に溜まっている余分な物質が洗い流され、モヤモヤしていた頭がスッキリするのです。

サウナ浴は脳波にも影響を与えることが確認されています。
MEGという脳波を測定する機器を用いた実験では、サウナ浴のあとに被験者全員のアルファ波が正常化していたという結果が出ました。
アルファ波が正常化すると、脳内のワーキングメモリーが向上することが報告されています。
ワーキングメモリーとは、例えるなら机や引き出しのイメージ。
散らかっていた机の上や引き出しの中身が整理整頓されると、作業効率が上がって気持ちも良くなりますよね。
このように脳内を整えることで、考えがまとまったりアイデアが浮かんだりと、頭が冴えわたって爽快な感覚を得られるというわけです。

その他にも感覚をつかさどるベータ波が増加したり、瞑想している時に出るシータ波が増加したりと、サウナ浴には脳のパフォーマンス向上につながる効果が報告されています。
こうして脳内が整理され、頭がスッキリ軽くなる感覚も「ととのう」の特徴です。

ととのうってどんな感じ?

以上をまとめると、「ととのう」とは体がリラックスしていながら、頭はスッキリ冴えわたり、多幸感にあふれている状態です。
私が「ととのうとはどんな感じか」と聞かれたら、「宙にふわっと浮いているように体が軽く、希望に満ちあふれているような感覚」とでも答えましょうか。
とてもうまく言い表せませんが、私にとっては「リラックス」、「スッキリ」、「幸せ」という3つの言葉がキーワードです。
それにしても「ととのう」という言葉は、本当に一言でしっくりくる表現だと思います。

温泉とは違うサウナならではの快感

▲フィンランド「Clarion Hotel Helsinki」のサウナストーブ / 2023年6月訪問

 

体を温めて冷やすという温冷交代浴は、温泉でも実践できます。
ですが温泉とサウナとでは決定的に違う点が一つあり、「ととのう」という感覚はやはりサウナ独特のものです。

サウナと温泉との大きな違いは、水圧がかかるかどうかです。
サウナでも温泉でも、体が温まると血管が拡張し、皮膚表面に血液を送ろうとする機能が働きます。
しかし温泉では水による圧力がかかるため、拡張しようとしている血管が圧迫されてしまい、血液の循環がうまく働きません。
温泉に長く浸かりすぎると立ちくらみを起こしてしまうのは、急に水圧がかからなくなって血管が一気に拡張し、血液が一気に流れ出すからです。

サウナでは水圧がかからないため、サウナ室内で血管が圧迫されることはありません。
また、温泉では頭部が外に出ますが、サウナ室内では頭部も熱気に包まれています。
頭までしっかり温まり、血管が拡張されて血液の流れが上から下まで良くなるのも特徴の一つ。
それから水風呂で一気に血管を収縮させ、外気浴で緩やかに拡張していくという流れが、サウナ独特のととのう感覚をもたらします。

自律神経についても、温泉では心地よい状態が続くため、ずっと副交感神経が優位な状態です。
熱々のサウナとキンキンの水風呂で交感神経が刺激され、頭が冴えているというのがととのうの醍醐味ともいえます。
リラックスして脳も休ませたい時は温泉、リラックスしつつ脳を活動的にしたい時はサウナというように、目的に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。

【関連記事】サウナの効果とデメリット|健康への影響をわかりやすく解説

ととのうためのポイント

▲サウナヨーガン福岡天神のメインサウナ室「溶岩 -Yogan-」

 

ととのうために大切なポイントは、交感神経と副交感神経を十分に刺激することです。
熱々のサウナ室とキンキンに冷えた水風呂、そして心地よくリラックスできる外気浴スペースがあると最高♪
もちろん無理は禁物でありますが、「少しだけ我慢が必要」ぐらいの刺激がちょうどよいかと思います。

サウナ室内は、下段よりも上段の方が温度が高くなっています。
1段上がるだけで約10℃も高くなりますので、熱さがもの足りなく感じる時は上段に座るといいですよ。
また、乾燥したドライサウナでは、体が十分に温まる前に息苦しくなってしまうことがあります。
ロウリュによる蒸気で一定の湿度が保たれている、フィンランド式サウナがオススメです。
サウナハットやタオルで顔を覆うのも、乾燥を防げるだけでなく、視界がさえぎられてサウナ浴に集中できるので、よりととのいやすくなりますよ。

「サウナ→水風呂→外気浴」のセット数については、必ずしも3セット行う必要はありません。
場合によっては2セットでも1セットでも、十分にととのうことができます。
時間や回数にとらわれず、自分の感覚を大切にして、安全にサウナを楽しむことも大切なポイントです。

また、逆にととのわないからといって、何セットも繰り返すのはNG。
サウナに慣れてきた人に起こりがちな現象に、「ととのイップス」というのがあります。
ととのわなくなるというより、ととのう感覚がわからなくなってしまうのです。
そんな時はいつもと違うサウナに行ってみたり、サウナハットや耳栓などのサウナグッズを使ってみたりと、気分を変えてみましょう。

サウナに通い始めた頃と、通い慣れた頃とでは、体の感じ方も変化します。
より心地よい「ととのい」を求めて工夫を重ねていくのも、サウナを深く味わうための醍醐味ですね♪

【関連記事】サウナの正しい入り方とマナー|初心者におすすめのサウナは?

7173の法則で「ととのう」を体験

▲サウナヨーガン福岡天神の屋上外気浴「天空のととのいスペース」

 

サウナヨーガン福岡天神では、溶岩石とダブルストーブを採用した灼熱のサウナ室、キンキンに冷えた水風呂、そして広々とした屋上外気浴スペースを完備。
サウナ室7分、水風呂1分、外気浴7分の3セット(7173の法則)で、1時間のご利用でもととのえるサウナをコンセプトとしております。
メインサウナ室「溶岩 -Yogan-」は、2つのストーブによる同時オートロウリュが自慢。
今までに体験したことのないような、ガツンとくる熱気をお楽しみください♪

初心者の方も安心な温度控えめのサウナ室「夜響 -Yakyo-」、女性も利用できるプライベートサウナ「緑 -Green-」もございます。
屋上外気浴「天空のととのいスペース」には、20脚以上ものととのい椅子をご用意。
福岡天神の景色や空を眺めながら、開放的あふれるひと時をお過ごしください♪

平和台ホテル天神に併設されておりますので、福岡への出張や観光にも便利です。
お客様のご来店を心よりお待ちしております。

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