水風呂の効果と危険性|長く入ると体に悪い?正しい入り方は?

サウナの水風呂の写真

あなたは水風呂が好き? それとも苦手ですか?

「水風呂でサウナを選ぶ」と言うサウナーもいるほど、水風呂はサウナに欠かせない設備の一つ。その理由はズバリ、「ととのう」ために水風呂が必要だからです。
慣れないうちは「冷たすぎて無理」と感じられるかもしれませんが、水風呂がもたらす素晴らしい効果を知れば、あなたもきっとハマるはず!

この記事では、水風呂の効果と「ととのう」ための入り方をわかりやすく解説します。

サウナーが水風呂にこだわる理由

エストニア「L’Embitu Hotel(現Mövenpick Hotel Tallinn)」の水風呂 / 2023年6月14日撮影

いろいろな水風呂を楽しみたいから

一口に水風呂と言っても、温浴施設によってさまざまな種類があります。

よくあるのは温度が16℃ぐらいで、普通のお風呂と同じように座って入るタイプ。
これが冷たいと感じる方向けに20℃以上の「ぬるめ」の水風呂があったり、逆に物足りないと感じる方向けに「シングル」と呼ばれる10℃未満の水風呂があったりもします。

深さにこだわるサウナーも多く、私自身もその一人で、中腰で肩までつかるぐらいのちょっと深めの水風呂が好きです。
中には150cm以上の深さがあり、立ったまま頭まで入れる水風呂もあります。
その他にも炭酸泉の水風呂や、ハーブの香りがする水風呂などいろいろなタイプがあり、サウナーにとって水風呂は、サウナの楽しみの一つでもあるのです。

【関連記事】水風呂の温度は何度がベスト?シングル(グルシン)とは?

水風呂に入ることで「ととのう」から

サウナーがサウナに求めるもの、それはやはり「ととのう」感覚でしょう。
サウナの1セットが「サウナ → 水風呂 → 外気浴」と、あいだに水風呂をはさんでいるのは、「ととのう」ために必要なプロセスだからです。

温度が80~100℃にもなるサウナ室内は、普通には耐えられない過酷な空間。
脳は「熱すぎてヤバい!」と興奮状態になり、体は心拍数が上がります。
水風呂に入ると今度は、「冷たすぎてヤバい!」と脳が再び興奮状態に。
その一方で、心拍数は一気に落ち着いてきます。
外気浴に移ると体はリラックス状態になりますが、脳はまだ興奮状態のまま。
つまり、「体はリラックスしているのに、頭は冴えている」という状態になるのです。

これが「ととのう」という感覚ですが、水風呂をスキップしてしまうと心拍数が下がらず、ただ疲れただけのような状態になってしまいます。
そのため、サウナーたちは真の「ととのう」を求めて、今日も水風呂に入るのです。

水風呂の効果

水風呂に入ることで、大きく分けて二つの変化が体にもたらされます。
一つは血管が伸び縮みすること、もう一つは自律神経の働きが活発になることです。
これら二つの作用によって、疲労回復、うつ病の予防、冷え性の改善など、さまざまな効果を期待できるといわれています。

血行が良くなり、疲労回復につながる

サウナ室に入ると、熱を放出するために血管が拡張します。
その状態で水風呂に入ると、今度は熱の放出を抑えるために血管が一気に収縮。
サウナと水風呂に交互に入ると、温冷刺激によって血管が伸び縮みするのです。

血管が繰り返し伸びたり縮んだりすることで、血液を全身に送るポンプ作用が高まります。
血流が良くなり、肝臓や腎臓に送られる血液の量が増えることで、老廃物の排出を促進。
体の末端にまで酸素や栄養素が運ばれるようになるため、疲労回復や筋肉疲労の緩和に効果があるといわれています。

自律神経が整い、心身ともに健康になる

自律神経の役割は、体の機能を自動的にコントロールしてくれるシステムです。
例えば呼吸する時に、「よし、今からを吸おう」と意識することはありませんよね。
心臓を動かしたり、体温を調節したり、食べ物を消化したり、あらゆる機能が無意識のうちに働いているわけですが、これは自律神経のおかげです。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の二つに分かれており、活動している時は交感神経、リラックスしている時は副交感神経が優位になります。
この二つのバランスが乱れると肉体的にも精神的にもさまざまな不調をもたらしてしまいますが、サウナと水風呂に入ることで自律神経が整うといわれているのです。

サウナ室内にいる時は過酷な熱さから興奮状態となり、交感神経が刺激されます。
サウナ室を出るといったん落ち着きますが、水風呂に入ると今度は悪魔的に冷たい水が交感神経をさらに刺激。
80~100℃もある熱空間から10~20℃の冷水に直行するという異常な行動により、交感神経が極限まで刺激されるのです。
その状態から外気浴に移ると、今度は一気に安心して、副交感神経が究極に優位な状態となります。
つやつやした顔になり、「ととのったぁあああああ」とふわふわする瞬間です。

このように交感神経と副交感神経を極限まで活性化させることで、自律神経の機能が正常化するといわれています。
心身のあらゆる機能に影響する自律神経を整えることで、うつ病、頭痛、肩こり、便秘、冷え性などさまざまな体の不調を予防・改善する効果を期待できます。

水風呂で痩せる?ダイエット効果は?

ネット上に「水風呂に入ると痩せる」という情報がたくさん出回っていますが、実際のところはそうでもないようです。

言うまでもありませんが、水風呂に1~2分入ったところで痩せることはありません。
冷刺激により脂肪燃焼が促されることは確かなようですが、ダイエットといえるほどの効果はないそうです。
そもそも水風呂に長く入るのは体に悪く、危険ですのでやめましょう。

【関連記事】サウナで痩せる?消費カロリーやダイエット効果について解説

美容効果は期待できそう?

美容効果もさまざまな情報が出回っていますが、こちらは効果が期待できることもありそうです。

前述した通り、サウナと水風呂の温冷交代浴により、血行が良くなります。
血行不良はターンオーバーの乱れを引き起こし、あらゆる肌トラブルの原因となりますので、ターンオーバー改善による美肌効果は期待できそうです。
また、水風呂に入ると肌が引き締まるため、しわやたるみの改善に効果的だといわれています。

その他に抜け毛や薄毛の改善にも効果的だといわれていますが、それはどうでしょうか。
頭皮の血行が良くなることで多少の効果はあるかもしれませんが、あまり期待しないほうがよさそうです。

【関連記事】サウナの効果とデメリット|健康への影響をわかりやすく解説

水風呂の「ととのう」入り方とマナー

このようにさまざまな健康効果や美容効果を期待できる水風呂ですが、入り方を間違えると効果が失われるどころか、場合によってはヒートショックなどの危険もあります。
また、周りのお客様に迷惑をかけてしまう場合もありますので、マナーを抑えておくことも大切です。
水風呂の「ととのう」入り方とマナーを解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね♪

【関連記事】サウナの正しい入り方とマナー|初心者におすすめのサウナは?

水風呂に入る前にかけ水をする

サウナ室を出たら、水風呂に入る前にかけ水をしましょう。

かけ水をするのは、マナーと安全面の二つの目的があります。
マナーとしては、汗を流すこと。
汗を流さずに水風呂に入ると、当然ながら水風呂の中に汗が入ります。
水風呂を清潔に保ち、自分も周りのお客様も気持ちよく利用できるように、水風呂に入る前のマナーとして汗を流しましょう。
また、立ったままかけ水をすると、水が飛び散って周りのお客様にかかってしまう恐れがあります。
しゃがんだ状態で静かにかけ水をするのも、マナーの一つです。

安全面としては、体を水温に慣らす目的があります。
手首や足先など、心臓から遠い場所から水をかけ、少しずつ慣らしていきましょう。
いきなり冷たい水を浴びるのが苦手な方は、自分で温度を調節できるシャワーを使って、ぬるめの水をかけて体を慣らすのもありです。

足先からゆっくり入る

水風呂に入ると血管が収縮するため、血圧が上がり心臓に負荷がかかりやすくなります。
いきなりドボンと入ると、ヒートショックを起こしてしまう危険性もゼロではありません。
心臓から遠い足先からゆっくりと入りましょう。

また、水しぶきを立てたり、水流を発生させたりしないように、静かに入るのもマナーです。
ドボンと飛び込んだり、バシャバシャと慌ただしく入ったりしないように注意しましょう。

息を吐きながら肩まで浸かる

水風呂に入ると思わず「うっ」と息を止めてしまうことがありますが、実は息を止めると余計に心臓への負荷がかかりやすくなってしまうんです。
息を吐きながら入る方が心拍数を抑えられるだけでなく、副交感神経が働くことでリラックス効果も生まれます。
息を吐きながらゆっくりと体を沈めていくことで、楽に肩まで浸かることができますよ。

水流がないところでじっと静かに過ごす

水風呂に肩まで浸かったら、じっと静かに過ごしましょう。
10秒ほどじっとしていると、皮膚の表面に「羽衣」と呼ばれる温かい層ができ、冷たい水が気持ちよく感じるようになります。
水流がないところで過ごす理由は、水流によって羽衣が剥がれてしまうのを防ぐためです。
水が流れ出る吐水口の近くでは水流が発生しますので、できるだけ遠ざかりましょう。
また、水風呂の中で自分が動くことでも水流が発生し、周りのお客様の羽衣を剥がしてしまう恐れもあります。
水風呂に入る時にバシャバシャしてはいけないのはこれも理由の一つで、水風呂から上がる時も、水流を発生させないように注意しましょう。

頭まで浸かれる水風呂では頭まで浸かる

基本的には水風呂に頭や顔を浸けないのがマナーですが、温浴施設によっては頭まで浸かってもいい水風呂もあります。
もし頭まで浸かることが許可されているのであれば、思い切って潜ってみましょう。
また、医学的には体を縦ではなく横にして、水平な状態で浮遊するのがベストだといわれています。
他のお客様と接しないぐらい十分な広さがあり、潜水OKの水風呂があればぜひ試してみてください。

長く入りすぎず、1分ほどで上がる

水風呂に長く入りすぎると、体の中心部の深部体温が下がってしまいます。
深部体温が下がると体のポカポカ感が失われてしまい、単純に寒くなります。
これでは外気浴の時に気持ち良くなく、「ととのう」ことが難しくなってしまいますので、長く入りすぎないように注意しましょう。

水温や個人の体調にもよりますが、水風呂に入る時間の目安は20秒~1分程度です。
脈が平常時に戻り、喉や気道がスースーしてきたタイミングがちょうどいいかと思います。

素早く体を拭いて外気浴へ

水風呂から上がったら、素早く体を拭きましょう。
体が濡れたままだと、気化熱(液体を気体に変化させるために必要な熱)によって体が冷えてしまうからです。

体を拭いたら外気浴スペースへ直行し、「ととのい椅子」と呼ばれる椅子に座ります。

「ととのったぁあああああ」

これ以上は何も言いません。
水風呂に入った者だけが得られる真の「ととのう」を、あなたもぜひ体感してみてください♪

【関連記事】サウナに外気浴が必要な理由|ととのうための時間と効果を解説

水風呂の危険性

最後に水風呂の危険性についても言及しておきます。

「ととのう」ために欠かせない水風呂ですが、やはり急激な温度変化にはリスクもあります。
代表的なのはヒートショック。
サウナと水風呂の温冷交代浴により血管が伸び縮みすることは、健康な人にとっては血行が良くなるというメリットがあります。
しかし、高血圧や動脈硬化など、心血管系に持病がある人にとっては大変危険です。

健康な人であっても、初めて水風呂に入る時は、自分がどのぐらい耐えられるのかがわかりません。
ここまでずっと水風呂を推してきましたが、水風呂に入れなくても「ととのう」ことはできます。
実際のところ水風呂が苦手なサウナーもたくさんいますし、水風呂に入れないことを恥ずかしく思う必要もありません。

サウナは修行する場ではなく、気持ち良く過ごす場です。
決して無理をせず、自分なりの「ととのう」を追求していきましょう。

【関連記事】水風呂が苦手で入れない!克服するコツと入らなくてもいい理由

ちょっと深めの16℃の水風呂をご用意しております

こちらは弊社で使用している水風呂浴槽です

サウナヨーガン福岡天神では、16℃に保たれた水風呂を2基ご用意しております。
深さは65cmと、中腰で肩まで浸かるぐらいのちょっと深めです。

サウナ室は「溶岩」がコンセプトの100℃近い高温サウナと、約80℃のメディテーションサウナの2室。
今までにない「ととのう」を提供できるように、サウナや水風呂はもちろん、ととのい椅子や音響、照明にもこだわりました。

平和台ホテル天神に併設されておりますので、遠方の方でもそのまま宿泊することができます。
お近くの方はもちろん、遠方の方も、ご来店を心よりお待ちしております。

サウナヨーガン福岡天神
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