寝不足でサウナに入るのは危険?徹夜明け・時差ボケの時は?
寝不足とは文字通り、寝る時間が足りていない状態のことです。日中に眠気を感じたり、集中力が続かなかったりと、あらゆるパフォーマンスが低下してしまいます。徹夜明けの認知機能は飲酒時と変わらないともいわれており、車を運転するのも危険な状態です。
しかし私たち現代人には、どうしても徹夜しないといけない時というのがありますよね。寝不足続きで疲れているはずなのに、布団に入っても眠れないということも日常茶飯事です。そのような時こそ、サウナで寝不足を解消したいと思う一方で、寝不足時のサウナ浴は危ないのではないかという不安もあるかと思います。
この記事では、サウナが寝不足の解消につながる理由と危険性、徹夜明けや時差ボケの時の入り方について解説します。毎日忙しい日常を過ごされている方は、ぜひ最後までご覧ください♪
目次
日本人の約4割が寝不足
適正な睡眠時間の目安は6時間以上
厚生労働省が策定した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、成人の適正な睡眠時間はおおよそ6~8時間、少なくとも1日6時間以上を確保することが推奨されています。
その根拠としていくつかの論文が引用されており、その一つが心血管疾患の発症リスクについて。日本の35~54歳の男性労働者2,282人を対象に、14年間追跡した調査研究では、睡眠時間が1日当たり6時間未満の人は、7時間以上8時間未満の人と比べて心血管疾患の発症リスクが4.95倍も高かったとのことです。
(参照:The effects of sleep duration on the incidence…)
別の論文でも、睡眠時間が6時間未満になると死亡リスクが有意に上昇することが報告されており、1日6時間以上というのが健康を維持するための最低ラインであるようです。一方で睡眠時間が長ければ長いほど良いというわけではなく、7時間前後の人が生活習慣病の発症や死亡に至るリスクが最も低かったとも報告されています。
(参照:Short sleep duration and health outcomes…)
このような研究結果をもとに、1日6~8時間の睡眠が推奨されているのですが、実際の睡眠時間はどうでしょうか。この記事を読んでいる方の中にも、「仕事や家事に追われてそんなに寝る暇がない」と嘆いておられる方も少なくないかと思います。
日本人の約4割が6時間未満
厚生労働省が令和元(2019)年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果によると、1日の睡眠時間が6時間未満の人は男性が37.5%、女性が40.6%でした。年代別に見ると男女ともに30~50代の睡眠時間が特に短い傾向にあり、この世代は5時間未満の人も10%前後います。日本人の多くが寝不足に悩まされているのです。
睡眠を確保できない原因については、30代は男性の42.1%が仕事、女性の30.9%が育児と回答。40代は男性の38.8%が仕事、女性の28.8%が家事と回答しており、仕事・家事・育児に忙しい現実が浮き彫りになっています。ダラダラと夜ふかしをしているわけではなく、やるべきことをやるだけで寝不足なのですから、なかなかどうにもなりませんよね⋯⋯。
睡眠時間を十分に確保することが難しい以上、短い睡眠時間でも疲れが取れるように、睡眠の質を高めることが要となります。サウナはその手段の一つとしておすすめです。
サウナが寝不足の解消につながる理由
サウナに入った後は睡眠が深くなる
サウナと睡眠との関係については古くから研究されており、初出はなんと1765年。ストックホルムの医師たちによる学術書に、「サウナは多くの場合、人々の夜の睡眠の質を改善する」と記されています。サウナの本場フィンランドで1976年に行われた研究調査では、サウナ後に眠りにつくと最初の2時間で深い睡眠(ノンレム睡眠)が70%以上も増加したとのこと。この最初の2時間というのが肝心で、入眠直後に深く眠れるかどうかが睡眠全体の質を決めるといわれています。
(参照:Sauna ja uni – Sauna)
スタンフォード式「90分の黄金法則」とは?
スタンフォード大学医学部の教授であり、睡眠生体リズム研究所の所長を務める西野精治氏は、睡眠の質は眠り始めの90分間で決まると提唱しています。同氏はこれを「90分の黄金法則」と呼び、著書『スタンフォード式 最高の睡眠』に詳しい解説があります。
寝始めの90分間が睡眠全体の質を左右する理由は、最初の90分間が睡眠全体の中で最も深い眠りであり、成長ホルモンが最も多く分泌されるからです。成長ホルモンとは子どもの成長に関わる物質ですが、大人にとっても重要な役割を担っています。その役割とは、細胞の増殖や正常な代謝を促進すること。疲労やストレスによって傷ついた細胞を修復する働きがあり、睡眠による疲労回復効果を高めてくれます。
入眠後、最初の90分間をしっかり深く眠ることができれば、成長ホルモンが正常に分泌されて、短い睡眠時間でも朝の目覚めがスッキリします。逆にこの90分間の睡眠の質が低いと成長ホルモンによる疲労回復効果を得られず、十分な睡眠時間を確保できても疲れが取れなかったり、寝不足の日のように昼間に眠気を感じてしまったりするのです。
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サウナに入ると寝付きが良くなる理由
眠り始めの睡眠を深くするには、寝付きを良くすることが大切です。スムーズな入眠の鍵となるのが、手足の温度(皮膚温度)と体の内部の温度(深部体温)の差。日中は皮膚温度よりも深部体温の方が約2℃高くなっていますが、夜になると皮膚温度が上がり、深部体温が下がることでその差が縮小。入眠時にその差が小さくなればなるほど、眠気が強くなります。
例えば日中の皮膚温度が34℃だとすると、深部体温は約36℃です。入眠時に皮膚温度が0.5℃上がり、深部体温が0.5℃下がったとすると、その差は1℃に縮まります。この差が0に近づけば近づくほど眠気が強くなり、スムーズに入眠できるようになります。
サウナに入った直後は皮膚温度も深部体温も上昇しており、その温度差には変化がありません。しかし深部体温には、上がった分だけ大きく下がろうとする性質があります。サウナに入らなかった時よりも下げ幅が大きくなり、入眠時には普段以上に深部体温が低下。一方で皮膚温度は、サウナ浴後の上昇を維持、またはさらに上昇します。こうして普段よりも皮膚温度と深部体温の差が小さくなるため、サウナに入った方が寝付きが良くなるというわけです。
《参考書籍》
・西野精治著『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)
日中のパフォーマンスを上げて寝不足を解消
このようにサウナにはスムーズな入眠をサポートし、睡眠全体の中で最も重要な最初の90分の眠りを深くする作用があります。短い睡眠時間でもぐっすり眠れれば、日中のパフォーマンスが上がり、仕事の効率も良くなることでしょう。早く帰れるようになれば、それだけ早く寝られるようになります。寝不足で脳の働きが鈍っている時や、夜眠れない時の対処法にサウナがおすすめです。
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寝不足でサウナに入るのは危険?
大前提として、寝不足でふらふらするような時、めまいや頭痛がするほど疲れている時は、サウナには絶対に入らないようにしましょう。転倒して大怪我をするリスクもありますし、サウナ室内で寝落ちしてしまうなんてこともないとは言い切れません。それぐらい疲れている時はサウナに入らなくても爆睡できると思いますので、早く家に帰って寝てください。
寝不足というのは、睡眠時間が足りていない状態のことです。寝不足を根本から解消するには、睡眠時間を増やすしかありません。サウナに入る時間があるなら、その時間を睡眠にあてるのが本当は一番いいのです。
でも、寝不足なのに眠れない時ってありますよね。夜遅くまで活動しているということは、交感神経優位な状態が長く続いているということです。体は疲れていても脳がさえていると、布団に入ってもなかなか寝付けません。
そのように眠れない時の対処法としては、サウナがやはりおすすめ。サウナは自律神経を整えて、副交感神経優位な状態へと切り替える効果も期待できるからです。寝不足が続いているのに寝付けない、寝ても眠りが浅いと感じるような時などに、ぜひサウナを利用してみてください♪
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徹夜明けはサクッと朝ウナがおすすめ
人の体は朝になると活動しようとして、交感神経が優位になり、深部体温が上がり始めます。徹夜明けに寝ようと思っても寝付けなかったり、眠りが浅くなってしまうのはこのためです。
寝付きを良くし、眠りを深くしてくれるサウナは、徹夜明けでぐっすり眠りたい時にも確かに有効です。しかしサウナへ行って入浴する時間と労力を考えると、あまりおすすめはできません。また、徹夜明けだからといって昼過ぎまで寝てしまうと、その日の夜の寝付きが悪くなり、次の日が寝不足になるという悪循環に陥ってしまいます。そのため、徹夜明けの朝は自宅のベッドで横になって、どうしても寝れないならそのまま起きてしまい、その日の夜にぐっすり眠るのがおすすめです。
ただ、徹夜明けでそのまま出社しなければならないような時には、サクッとサウナに入って軽く仮眠を取ると脳の働きが良くなります。ポイントは1セットだけ、疲れない程度に済ませること。サウナで一汗かいて、水風呂にサッと入るか水シャワーで流し、休憩をせずに出ると頭がスッキリするかと思います。眠るためではなく目覚めるためのサウナですので、決してととのってはいけませんよ。
【関連記事】朝サウナの効果と入り方|朝ウナのメリット・デメリットを解説
時差ボケの解消にもサウナがおすすめ
時差ボケで寝不足の時にもサウナが有効です。時差ボケで夜眠れなくなるのは体内時計がずれているからですが、サウナ浴によって皮膚温度と深部体温の差を縮めることで、体内時計のリズムに関係なく眠気を誘発することができます。また、日中の眠気を取り払いたい時には、徹夜明けと同じように朝サウナが有効です。
実は時差ボケは、海外へ行かない人にも起こり得る現象です。その原因は週末の「寝だめ」。平日の寝不足を解消しようと週末に遅くまで寝る行為は、体内時計が時差のある国への旅行と同じように錯覚してしまうそうです。「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差)」と呼ばれ、寝不足が解消されるどころか逆効果。寝だめしたい気持ちはとてもよくわかりますが、ちょっと朝寝坊するぐらいにとどめておきましょう。そして寝だめをするよりも、やはりサウナがおすすめです。週末は朝寝坊するよりも、夜サウナに入って早寝する方が寝不足解消につながります。
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朝サウナも夜サウナも寝不足解消に
サウナヨーガン福岡天神は、あさ7時半から営業しております(木曜日のみ13時~)。休憩室にはマッサージチェアやリラックスクッションを取り揃えておりますので、軽く仮眠を取ることもできます。徹夜明けの体力回復にもぜひご利用くださいませ。
よるは24時まで営業中(最終受付は23時)。平和台ホテル天神9Fに併設されておりますので、宿泊でのご利用も便利です。帰りが遅くなってしまった日や、寝不足続きで少しでも早く休みたい時にもぜひご利用くださいませ。
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