サウナで血管ボロボロ?その理由と注意点をわかりやすく解説

 サウナにはさまざまな健康効果が報告されている一方で、体に悪い、デメリットしかない、といった意見もあり、不安を感じられている方も少なくないかと思います。そして「サウナ 体に悪い」というキーワードで検索してみると、「血管ボロボロ」という強めのキーワードが⋯⋯。

「血管ボロボロ? えっ、やっぱりヤバいの?!」

 と、気になって検索しているうちに、この記事へたどり着いた方も多いのではないでしょうか。そんなあなたに向けて、サウナによる血管への影響について、エビデンスも交えながらわかりやすく解説します。

サウナで血管がボロボロになると言われている理由

 血管ボロボロというのは少々強い言い方ではありますが、サウナによって血管を傷つけてしまうリスクは少なからずあります。主な理由は次の2つです。

  • 脱水により血液がドロドロになる
  • 血圧の急変動により血管に負担がかかる

脱水により血液がドロドロになる

 サウナではたくさんの汗をかきますが、その汗は血液から作られています。体温が上昇すると汗が出るのは、血液中の水分が熱とともに放出されるからです。そのため、汗をかいたあとは血液中の水分が減り、相対的に糖質や脂質の濃度が高くなります。ドロドロというのも過剰な表現ではありますが、わかりやすく言えばそうです。水分が抜けてドロドロになってしまうんです。

 血液がドロドロになると血流が悪くなり、血管の内壁にコレステロールなどの脂質が付着しやすくなります。そのうちに血管が傷つけられてしまい、血管が硬くなってしまうのが動脈硬化です。心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こしてしまうリスクが高くなってしまいます。

 ただしサウナで血液が脱水状態になるのは、一時的なことです。きちんと水分を補給すればもとに戻ります。「サウナで汗をかいてもダイエットにはならない」とよく言われますが、これも同じ理由。どれだけ汗をかいても水分が抜けただけで、水を飲めば元の体重に戻ります。

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血圧の急変動により血管に負担がかかる

 血圧とは、血液が血管の内壁に与える圧力のことです。高血圧というのは血管にかかる圧力が強い状態で、血管への負担が大きくなります。

 血圧が高くなるのは血流量が増えた時、または血管が収縮した時です。血流量が増えても血管の太さが変わらなければ、血液が流れにくくなります。また血流量が同じでも、血管が収縮して細くなれば血流が悪化。大雨の日に用水路を流れる水のように、威力が強くなってしまいます。

 サウナにおいては特に水風呂で、血圧が急上昇します。サウナ浴中は発汗のために血流量が増え、血管も拡張している状態です。それが水風呂に入ると、熱を逃さないように血管が収縮。血流量が増えた状態のまま血管が細くなるため、血圧が一気に上がってしまうのです。

 ただしこれも一時的なことであり、水風呂から出れば徐々に血管が拡張し、血圧も通常時の状態へと戻っていきます。血管へのダメージがまったくないとは言えませんが、血管ボロボロというのはさすがに言い過ぎではないでしょうか。むしろ健康な人にとっては血管のトレーニングになるとも言われており、サウナに入る頻度が高い人ほど心血管疾患による死亡リスクが低かったという報告もあります。

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健康な人はむしろ血管が鍛えられる

 サウナと水風呂との温冷交代浴は血管を大きく伸び縮みさせるため、血管の弾力性を高める効果があると言われています。「サウナ浴→水風呂→外気浴」のセットによる血管の伸縮作用を整理してみましょう。

サウナ浴中は血管が緩やかに拡張

 まず、サウナ室に入ると、熱いというよりも温かいという心地よさから、副交感神経が優位になります。副交感神経はリラックスした時に作用し、血管をゆっくりと拡張させて血圧を下げる働きがあります。つまり、サウナ室に入ってしばらくの間は低血圧の状態です。

 じわじわと体が温められていくと、温熱効果により血流が増加します。体の熱を逃がそうと、血液が皮膚の表面へと送られ、汗が出てくるのです。この時は血管も拡張していますので、血圧はそれほど高くはなりません。

 しかしサウナは平均して80~100℃と、普通には生きていられない温度。そのうちに温かいから「熱い!」へと変わり、交感神経が優位になるとともに心拍数が上昇。血管は拡張したまま、血流量も増えている状態となります。

水風呂で血管が一気に収縮

 水風呂に入ると一転して「冷たい!」という反応から、体の熱を逃さないように血管が一気に収縮します。水風呂は徐々に熱くなるサウナ室と違い、急です。いきなり冷たい水にさらされるため、交感神経がさらに優位に働きます。心拍数が高いまま血管が収縮するため、血圧が急上昇します。

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外気浴で再び緩やかに拡張

 水風呂を出ればもう安心。再び副交感神経が優位な状態となり、血管が緩やかに拡張していきます。体はリラックスモード。徐々に心拍数も落ち着き、血圧も通常時の状態へと戻っていきます。

 このように「サウナ浴→水風呂→外気浴」のセットにより、血管は拡張と収縮を繰り返します。ストレッチをすると体が柔らかくなるように、血管も伸縮させることで柔らかくなり、弾力性が高まるのです。

サウナで心血管疾患のリスクが減るという報告

 サウナ浴によって血管の弾力性が改善されるというのは、2017年に発表されたフィンランドの研究結果からも示唆されています。102人の被験者に対し、サウナ入浴前、入浴直後、入浴から30分後の動脈コンプライアンス(血管の弾力性を表す指標)を測定したところ、サウナ入浴直後だけでなく、30分後も改善していたとのことです。
(参照:Sauna exposure leads to improved arterial compliance

 また、2015年に東フィンランド大学が発表した研究論文では、サウナに週4~7回のペースで入る男性は、サウナに入る頻度が週1回の男性よりも心臓突然死のリスクが約63%低く、致死性心血管疾患のリスクも低かったと報告されています。こちらは被験者が2,315名と多く、約20年にわたって追跡調査された研究の結果です。
(参照:Association between sauna bathing and fatal cardiovascular and all-cause mortality events – PubMed

 さらに同大学から2018年に発表された論文では、女性もサウナ浴の頻度が高いほど心血管疾患による死亡リスクが低かったと報告されています。2015年の調査は被験者が男性のみでしたが、こちらは男女1,688人を約15年かけて追跡。サウナに週4~7回入る人は週1回しか入らない人に比べて、心血管疾患による死亡リスクが約70%も低かったとのことです。
(参照:Sauna bathing is associated with reduced cardiovascular mortality and improves risk prediction in men and women

 その他、アメリカの由緒ある総合病院「メイヨークリニック(1846年創設)」が2018年に発表したレポートによると、週4~7回サウナに入る人の方が週1回の人と比較して、脳卒中は約62%、心筋梗塞は約52%、高血圧は約47%、発症リスクが低下したと報告されています。
(参照:Cardiovascular and Other Health Benefits of Sauna Bathing

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サウナで血管をボロボロにしないための注意点

▲エストニア「Elamus Spa」の川サウナ / 2023年6月訪問

 

 以上のようなエビデンスから、サウナが心臓や血管に良い影響があることを否定はできないかと思います。そうは言ってもやはり、血管への負担が大きいことには変わりありません。無理なサウナ浴は逆効果ですので、次の点に注意しながらサウナを楽しみましょう。

水分補給をしっかりする

 サウナで血液がドロドロになると言われているのは、血液中の水分が汗として流れて出てしまい、相対的に糖質や脂質の濃度が高くなるからです。サウナで汗をかいたら、直ちに水分を補給しましょう。サウナに入る前にもしっかりと水分を摂っておくことが大切です。

心拍数が上がったらすぐにサウナ室を出る

 サウナ室で心拍数が上がるのは、「熱い!」という危機感から交感神経が優位になるためです。それ以上は体に無理な負担をかけてしまいますので、心拍数が上がったら直ちにサウナ室を出ましょう。あと何分、後から入ってきたあの人よりも、とか思いながら耐える必要はありません。

水風呂の前にシャワーやかけ水をする

 もっとも血圧が上昇するのは、サウナ室を出て水風呂に入る時です。温度の変化が急激であればあるほど血圧が急上昇してしまいますので、水風呂に入る前にかけ水をしたり、ぬるめのシャワーを浴びたりして体を慣らしましょう。水風呂の前に汗を流すのは、サウナのマナーでもあります。

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休憩をしっかり取る

 サウナ、水風呂の後は、心拍数が落ち着くまでしっかりと休みましょう。いわゆる「ととのいタイム」は2分と言われておりますが、2分では足りないかと思います。心拍数が高いまま次のセットを始めると常に血圧が高い状態となり、それこそ血管をボロボロにしてしまいますのでご注意ください。

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セット数を増やし過ぎない

 サウナはとにかく無理をしないことが大切です。筋トレや運動をし過ぎると怪我をしてしまうように、「サウナ→水風呂→外気浴」のセットもやり過ぎると血管を傷つけてしまいます。場合によっては毛細血管に炎症が生じる「血管炎」を引き起こすリスクもあり、「あまみ」だと思っていたら実は血管炎だったということにもなりかねません。定番の3セットというのは、最適であると同時に上限でもあると思います。

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サクッと通いやすいサウナで血管ケア習慣

▲サウナヨーガン福岡天神のメインサウナ室「溶岩 -Yogan-」

 

 最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。当施設、サウナヨーガン福岡天神は福岡市の中心部に位置しており、福岡市内へ通勤・通学されている方にも通いやすい場所です。予約不要でサクッと入れますので、サウナ浴による血管ケアを習慣にされてみてはいかがでしょうか。

 また、当施設は平和台ホテル天神の9階に併設されておりますので、出張や観光の拠点としても便利です。実際に福岡県外からのお客様も多数ご来店いただいております。宿泊されなくても日帰りで利用できますので、福岡へお越しの際はぜひお越しくださいませ。

 皆さまのご来店を、心よりお待ち申し上げております。

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(パブリックサウナは予約不要)

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